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閻魔堂沙羅の推理奇譚

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あらすじ

閻魔堂の沙羅は父親である閻魔大王の不在に死者の行き先の振り分けをしていた。
自分の死に納得できない死者たちに沙羅は「制限時間内に推理ができたら生き返らせる、出来なければ地獄行き」というゲームを持ちかける。

  • 緒方智子 17歳 女子高生 死因・絞殺

父親と喧嘩して家出した智子は高校の部室に忍び込んだ。

彼氏である令一が来てくれたが、彼にも失望して追い返してしまう。部室に仕掛けられたカメラに気づいた智子は何者かに絞殺される。

  • 浜本尚太 27歳 会社員 死因・凍死

鶏肉を扱う会社の営業マンである浜本はミスが多かった。

その日も納入品目を間違えるミスを犯し得意先から叱責されていた。
後輩の岩田からは馬鹿にされ、同期の出世頭千原からも罵倒される。
その午後、またもや荷物が届いていないという連絡が入り、慌てて冷凍倉庫から品出しをしている時に、崩れ落ちた荷物にぶつかって気を失い凍死してしまった。

  • 門井聡子 82歳 無職 死因・老衰

老舗呉服屋の嫁となった聡子は、権威主義に凝り固まった舅姑と夫に囲まれ自由のない中、なんとか店を守り続けてきた。

舅と姑、夫も亡くなり、養子の亮に店を任せてようやく解放された聡子だったが、かつて店を継ぐことを拒否し家を出ていった実子の誠司のゆくえだけが気になっていた。
老衰のため亡くなった聡子だったが、息子の状況を知るため数時間だけでも生き返りたいと望む。

  • 君嶋世志輝 20歳 フリーター 死因・撲殺

ガタイが良くて喧嘩早い世志輝は仕事が続かず、フリージャーナリストの兄と一緒に暮らしていた。

ある日、兄から電話で「USBメモリを持ってきて欲しい」と頼まれる。指定された場所に向かった世志輝はスタンガンで攻撃され、多人数に殴られて死んでしまう。

感想

閻魔大王の娘だけあって善悪の判断がはっきりしている。最近ではこれだけ明確な勧善懲悪ものも珍しい。

わき目もふらず一つの目標に集中するのが善なのか、
姑や舅の権威主義的な態度に耐え忍ぶが美徳なのか、
ストーカーを拉致ってチェーンソーで脅すのは正義か、
沙羅の持つタブレットのように「善悪」が点数化されて表示されるなら分かりやすくていい。

設定は独特だが推理ものとしては正統派だ。
死者に捜査はできないので記憶にある情報だけでの推理となり、すべての情報が提示された後に考えさせられる。
結構フェアな推理ゲームだ。

分かりやすく気持ちがいいので、続きも読んでみよう。

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