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閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室

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あらすじ

閻魔大王代理の沙羅との命を懸けた推理ゲームを描く「閻魔堂沙羅」シリーズ第2弾。

  • 武部健二 43歳 刑事 死因・刺殺

ベテラン刑事の武部は、新入りの森野と共に英会話学校のイケメン教師の殺害現場に駆け付ける。

慣れない森野は現場で嘔吐してしまい、武部と共に捜査本部で裏方に回されてしまう。被害者は複数の女性とトラブルを抱えていて、数年前に別れた看護師、数週間前に別れたOLと、そのOLと二股をかけられた女子大生が容疑者だった。

現場での遺留品が決め手となりOLの犯行であることがほぼ固まったが、武部自身には腑に落ちなかった。再調査をする武部は自宅アパート前で何者かに刺殺されてしまう。

武部は閻魔堂の沙羅に生き返りたいと願い、犯人当ての推理ゲームを受けることとなる。

  • 池谷修 30歳 ゆすり屋 死因?

池谷は阿賀里とコンビを組み、ゆすりで金を稼いでいた。

目標額に近づいて、山分けが惜しくなった池谷は阿賀里の殺害を計画する。
銀行金庫のパスワードを阿賀里と半分ずつ管理していたので、それを聞き出すため、阿賀里の恋人を利用することを考えていた。
ところがある夜、池谷は深い眠りに落ちたまま命を失ってしまう。

閻魔堂の沙羅は池谷の死因を見て思わず吹き出してしまった。

  • 浦田俊矢 34歳 会社社長 死因・撲殺

高校時代野球部のエースだった浦田はプロ入りしたが、肩の故障のため、活躍できないまま引退した。

だがその後、スポーツジムを立ち上げ実業家としての成功をおさめていた。浦田の別荘でかつての野球部の面々が集まったが、そこで浦田は何者かに撲殺される。

閻魔堂の沙羅は、浦田の死は密室事件になったという。
浦田は推理ゲームで真相に至ることができるのか。

感想

清濁併せ呑む、というかかなり「濁」の方に寄っている刑事をどう捉えるのか。
口先のうまさで生きてきた人間をどう評価するのか。
周囲を引っ張る力の強さと、他人への共感力の無さは天秤でどう図られるのか。

深く考えられているし、作者自身の価値観を前面に押し出してきているのが、面白さに繋がっている。

天国か地獄か審判の場での話なので、善悪は白黒はっきりさせる必要がある。その分、前作では単純な勧善懲悪になってしまうと感じたが、シリーズ2作目で圧倒的にレベルアップしている。

沙羅のマンネリ気味のルーティーンも読んでいて安心感を覚えるレベルになってきた。
シリーズの続きが楽しみだ。 

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