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除妖師

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あらすじ

長らくフリーターだった椎名恭平は「西園寺商会」に面接に訪れる。
美しく清楚な女性社長 西園寺玲子に認められ、翌日からの勤務が決まった。
ところが翌日、玲子は別人のような粗暴な態度で恭平をこき使い始める。
日によって異なる人格となる玲子に戸惑う恭平だった。

厳しい方の玲子は恭平に「サイバーブレイン社」の調査を命じる。
その頃、サイバーグラスと呼ばれるメガネ型デバイスが普及し始めており、サイバーブレイン社は、そこに暗号システムと画像認識技術によるセキュリティーシステムを組み込もうとしていた。
玲子はサイバーブレイン社が「何かよからぬことを企んでいる」という。

恭平は雑誌記者を装って、サイバーブレイン社の広報担当である斉藤浩子を取材し内部状況を探ったが、逆に虚偽の取材であることがバレて脅迫を受けてしまう。

その頃、プライバシー侵害などサイバーグラスのリスクを唱える政治家や学者などが不祥事を起こして逮捕されるケースが多発していた。
これにも何者かの陰謀をかぎ取った玲子は、浩子と会う機会を活かして更なる情報戦を仕掛けた。

感想

如月恭介さんの作品では、オリジナリティある設定に引き込まれる「エンジェル」や、メッセージ性の強い「ハンター」などが大好きだが、作者自身が楽しんでいるのが伝わる本作も良かった。

テクノロジー×オカルトのサスペンスから、妖術師・除妖師の能力バトル的な展開になっていく。さらにはダメ男×ハーレム・ラブコメのラノベ風要素も入って盛りだくさんだ。キャラが生きているので、テンポよく話が進み楽しく読める。

娯楽作品ではあるが、若い世代が経済的に追い詰められている状況に憤りながら、頭でっかちで行動できないことを皮肉ってみたり、社会問題に対してマスコミが無力であることを嘆いてみたりとメッセージ性のあるテーマもしっかり仕組まれている。

続編も読んでみよう。

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