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お江戸、ほろり 神田もののけ人情語り

お江戸、ほろり 神田もののけ人情語り

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あらすじ

美しい娘に扮する狸の「ぽんぽこ」と、白猫にしか見えない「白額虎」
二匹のの妖怪が江戸の町で繰り広げる人情語り。

  • 早く妖怪になりたーい

凄腕の剣士 小次郎の家で暮らすぽんぽこと白額虎は、玉子焼きと酒の魅力に負け小次郎のお金を使いこんでしまう。

お金を返すため、口入れ屋のたぬすけに仕事の仲介を頼むが、二匹が「妖怪人別帳に登録されていない」ため仕事紹介はできないと断られてしまう。

正式な妖怪と認められるため、二匹は「妖怪学校」に通い始めた。

  • 妖怪退治の三爺さん、現れる

安倍晴明、坂田金時、宮本武蔵のゆかりの者だという爺さん三人組が仕事を依頼してきた。

爺さん三人組は長屋に居座る妖怪たちを追い出して欲しいという。
ぽんぽこと白額虎は件の妖怪長屋に赴くが、そこには ぬらりひょん、砂かけ婆、子泣き爺、奪衣婆など、メジャーな高齢妖怪が集まっていた。

高齢妖怪たちの反撃にあいぽんぽこたちは逃げ出した。
お茶屋で休んでいた二匹は爺さん三人組から「妖怪たちを追い出さなければならなくなった顛末」を聞く。

  • にゃんたま、ちょうだい

仔猫のタマが妖怪学校に入学してきた。

タマの飼い主は金貸しの小竹婆さんだ。
彼女はタマ以外の誰にも心を開くことがない。タマは自分が小竹婆さんより先に死に、彼女を悲しませてしまうとを恐れ、妖怪になってでも小竹婆さんより一日でも長く生きたいと考えていた。

小竹婆さんの孫である彦松は、彼女にお金を借りに行くが冷たくあしらわれた。
彦松とぽんぽこたちはお互いの財布を期待して一文無しで飲み食いしてしまい、返済を迫られる。代金を稼ぐため小竹婆さんに家に忍び込む二匹と一人だったが。。

  • 貧乏神、ちょうだい

付喪神となった招き猫のにゃん太と京人形のお千代は、一膳飯屋を営む市吉に買われていった。

市吉の店は料理の味も良く値段も手ごろなのに、何故かお客が寄り付かない。
にゃん太はお客を呼び込もうとするが、すでに付喪神となってしまったにゃん太は招き猫として力を失ってしまっていた。

にゃん太とお千代はタマの仲介で、妖怪学校に訪れた。

  • 小竹の恋

金貸し小竹婆さんの飼い猫タマは、幽霊が小竹婆さんの寿命を吸いとりに来ていることに気づき、ぽんぽこと白額虎に助けを求める。

夜ごと現れる美青年の幽霊は、小竹婆さんが若いころに恋に落ちた相手だった。

感想

主人公のぽんぽこと白額虎が、とにかくかわいい。

それほど頭が切れるわけでもなく「小判の使い方を知っている猫」に手玉に取られてしまう。玉子焼きとか酒にあっさり釣られてしまう。強大な敵に立ち向かう鉄の意志を持っているわけでもなく、結構流される。戦闘力は意外と高そうだが活かせてない。

なんだが中途半端だが、その分、人の弱さを受け入れる柔らかさがある。

実際、ぽんぽこも白額虎も事件解決に直接手を下すわけではない。
実力行使するのは先輩妖怪だったり、人間の剣士だったりする。

でも最終的に人々の対立をおさめるのは武力対決ではない。お互いの思いを理解して尊重し合う気持ちが本当の解決につながる。これが「人情語り」ということなのだろう。

ぽんぽこも白額虎も、大したことをしていないように見えるが、人と人(ときに妖かし)の心を繋ぐ触媒として素晴らしい活躍をしている。

ちなみに本作は「ぽんぽこシリーズ」の続編だったようだが、こちらから読み始めてしまった。この本単独でも十分伝わるし面白かったが、前の作品も読んでみよう。

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