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櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶は十一月に消えた

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あらすじ

『櫻子さんの足元には死体が埋まっている』シリーズ第4弾。
骨好きのお嬢様 九条櫻子と高校生の館脇正太郎が、またもや事件に巻き込まれていく。

猫はなんと言った?
正太郎の友人 鴻上百合子は、叔母の椿が飼っていた猫が死んでいた事件について櫻子に相談した。

椿は元カレからのストーカー被害を受けており、嫌がらせとして飼い猫を殺されたのではないかと疑い怯えていた。動物病院に勤務する椿の現在の恋人も駆け付けてきたが、彼女は不安を隠せない。

櫻子は猫の死体を調べ、何らかの動物にかみ殺された可能性が高いと判断した。
元カレは犬を飼っていることが判明したが、さらに調べると猫についていた歯形は犬のものとは微妙に異なっていた。

櫻子は、歯形や爪痕から猫を襲った本当の犯人を推理していく。

私がお嫁に行く時に
百合子の祖母は「彼女がお嫁に行くときに祖父が描いた絵を一枚贈りたい」と言っていた。だが、その祖母が亡くなってしまい、どの絵を贈ろうとしていたのか、今では誰も分からない。
百合子は「祖母が贈ろうとしていた絵を見つけて欲しい」と、櫻子に頼んだ。

蝶は十一月に消えた
正太郎の担任 磯崎の、かつての教え子 一重が失踪した。
一重の親から捜索支援を依頼された磯崎は、櫻子と正太郎と一緒に彼女の行方を探る。

一重が高校に在学していた当時、二葉、三奈美と仲の良い三人組だったが、2年生のときに二葉が行方不明となり、現在まで見つかっていない。

磯崎はかつて一重と親しかった三奈美と連絡を取るが、三奈美は「すでに交流はなく何も知らない」という。とある絵描きを巡って三角関係にあったらしい。

最終的に三奈美は一重がいる可能性のある場所に櫻子たちを案内したが、そこで櫻子はかつての事件の真相に辿り着いた。

感想・考察

キャラもののライトなミステリだと思っていたが、4作目に来てダークな感じになってきた。最終話で今後の展開を匂わせてきたり、先が楽しみになってきた。

櫻子は「だがね、肉が骨を鎧うように、隠された真実には隠されるだけの理由があるんだ。骨を取り出して飾るのが悪趣味なら、自己顕示欲を満たすために、他人の秘密を暴いて公言するのも、本質的には同じことだろう」と言う。

隠されたものは知りたいと思うのが人間の好奇心だが、人が「隠したい」と思うものに踏み込んではいけない、ということだろ。謎解きを楽しむミステリ小説だからこそ、踏み込んでしまったときの後味の悪さを表現できるのかもしれない。

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