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三毛猫ホームズの運動会

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あらすじ

「三毛猫ホームズ」シリーズ初の短編集。

  • 三毛猫ホームズの運動会

警察で行われる運動会で事件が起きる。

運動会の会場でとある警部が、妻と自分の部下の不倫現場を見つける。
ちょうどその時、かつて彼が逮捕した犯人が護送車から逃げ出し、運動会会場にやって来た。犯人は、重病だった妻から無理に聞き取りをし死なせた警部を恨み、会場で吉田とその妻への復讐をはかった。
そんな中、吉田夫人の不倫相手の警官が「だるま競争」の扮装の中で刺殺される。

刑事の片山義太郎と妹の晴美は、ホームズの力を借り複雑に絡まる事件の謎を解いていく。

  • 三毛猫ホームズのスクープ

片山義太郎は「ミス警視庁」の審査員を命じられる。
報道陣も集めたコンテスト会場で、出場者の一人が殺された。
殺された女性と恋愛関係にあった片山の上司に容疑が掛けられた。

  • 三毛猫ホームズのバカンス

片山たちは、海辺のホテルで休暇を楽しんでいた。
ところがそのホテルは、医師とその妻、医師の前妻、前妻と不倫し離婚の原因を作った男が一緒に宿泊しており、一触即発の状態だった。

  • 三毛猫ホームズの温泉旅行

片山たちは温泉地の旅館で休暇を満喫していた。
その宿には警察官夫婦と、彼らを追う年配の女性も滞在していた。
かつてその警察官は拳銃の誤射でひったくり犯の少年を殺しており、彼女はその少年の母親だった。彼女は、息子を奪った警察官が幸せになることが許せないという。

  • 三毛猫ホームズの殺人展覧会

とある画家は、暴行された後の女性や刺殺された女性を写実的に描いた絵で評判になっていた。偶然発見された死体がその絵の女性とそっくりであったことも、かえって評価を高めた。
画家はモデルや画商たちを集めたパーティーを開いたが、その会場で彼は毒殺されてしまう。

  • 三毛猫ホームズのバースデー・パーティ

晴美が友人に宅に赴くと、友人数人でのサプライズ・バースデーが企画されていた。暗い部屋に灯りが付くと、そこには友人の一人の死体が転がっていた。
そしてその日は「晴美の誕生部ではなかった」

感想

赤川次郎さんの作品はテンポが良いが、短編ではさらにサクサク展開していく。会話の軽妙さもあって読みやすい話だ。

とはいえ事件自体はかなり陰惨だ。
連続殺人事件や、死体を描く画家の話なども鬱々とさせられるが、夫婦の裏切りなど人間関係の薄気味悪さの方がより不気味だったりする。
主人公たちの明るさと対比され、心の闇がかえって暗くみえた。

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