約束のネバーランド
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あらすじ
[孤児院脱走] 1巻~5巻
グレイス・フィールドと呼ばれる孤児院で子供たちは「ママ」であるイザベラの愛情を受け幸せに育っていた。その中で、12歳になるエマ、ノーマン、レイの3人は、難易度の高い試験でもフルスコアを取るような特別に優秀な3人だった。
6歳のコニーが里親に引き取られ孤児院を出るとき、忘れ物を届けようとしたエマとノーマンは、彼女が殺され「鬼」に引き渡されているのを見る。
孤児院は鬼に食料としての子どもを飼育するための「農園」で、イザベラは質の良い肉を育て監視するための「飼育監」だったことが判明する。
エマとノーマンは、レイや年下のギルダたちも引き入れ、グレイス・フィールドからの脱走を計画する。
イザベラは出荷現場を見た子どもがいたことに気づき、子ども一人一人に発信機が仕掛けられていることを敢えて子供たちに見せ、揺さぶりをかる。サポート役のシスター・クローネも呼び寄せ、子どもたちをけん制する。
エマたちは普段通りを装いながら、着々と脱走計画を進めていった。
[シェルターまで] 5巻~8巻
グレイス・フィールドを脱走したエマたちは、食人植物や知性を持たない下等種の鬼たちと闘い逃げながら、W・ミネルヴァという人物が残したヒントに従い、示された場所に向かっていた。
道中で脱走者を追う知性ある鬼の襲撃を受けたところを、ムジカとソンジュという鬼に助けられる。二人は宗教上の理由で人間を食べない鬼だった。
W・ミネルヴァの示した場所には地下シェルターがあった。
そこには十年以上前に他の農園から逃げ出した一人の男(オジサン)がいた。エマが持ち込んだペンが鍵となり、次の目的地ゴールディ・ポンドが示された。
エマたちはオジサンと一緒にゴールディ・ポンドを目指す。
[ゴールディ・ポンド] 8巻~11巻
ゴールディ・ポンドに近づく道中、エマは何者かに捕まる。
エマがゴールディ・ポンド内で目覚めると、バイヨン卿という鬼の貴族が作った「人の狩場」だった。
なかでもレウウィス大公は、必死で歯向かってくる人間と命のやり取りをすることを楽しんでおり、エマによる反撃に興奮を覚えた。
ゴールディ・ポンドには、別の農園から脱走してきた子供たちも潜んでいた。エマは彼らと協力し、バイヨン卿やレウウィス大公を倒す。
また、施設の地下にはゴールディ・ポンドの名の通り金色の池があり、そこにある電話にミネルヴァが残したメッセージがあった。
ミネルヴァは、かつて人間と鬼が相互不可侵を約束し、その代わりに「農園」の人間を鬼に提供する約束をした人物の末裔だった。
ミネルヴァはエマに、その約束を壊したければ壊せばいい、鬼との全面戦争を望むならそうすればいい、そのどちらでもないなら「7つの壁」を探しなさい、と言った。
[7つの壁]11巻~13巻
十数年前、ピーター・ラートリーは、鬼との約束を破ろうとした兄のW・ミネルヴァを殺していた。
今、ピーターは部下を差し向け脱走した子供たちを殺そうとしていた。
ゴールディ・ポンドから帰還したエマたちはシェルターで暮らしていた。だがピーターの部下の襲撃を受け、シェルターを脱出する。
エマたちはミネルヴァが示唆した「7つの壁」を探す旅に出かける。
[王都]13巻~20巻
シェルターを追われたエマたちは、旅の途中でミネルヴァをボスと仰ぐ子供たちに出会う。
ミネルヴァは「農園」を襲って「食用児」を開放し、アジトに集結させていた。中でも Λ7214と呼ばれる試験農園では、投薬などで能力を強化された子供が育てられており、その出身者は鬼に対抗する戦力となっていた。
ミネルヴァは、王と虐げられた旧貴族の対立を煽り、鬼同士の内戦を引き起こした。そこで疲弊した両陣営に攻撃し、鬼を全滅させることを計画していた。
エマは鬼に対する憎しみを持ちつつも、自分を助けてくれたムジカやソンジュ、ただ生きるために仕方なく人を食べている鬼を含め、全滅させてしまうことに違和感を覚えていた。
ミネルヴァはエマの話を理解は下が、計画を中止することはできないが、自分たちが鬼を殲滅する前に「7つの壁」を見つけ、約束を変えることができればそれでもいいといった。
「7つの壁」にたどり着いたエマは、約束の変更を願う。だがそのためには「ごほうび」を提供しなければならないのだという。
鬼の王都では、ミネルヴァの作戦通り鬼の内紛が起こり、鬼の殲滅は実行段階に入っていた。
感想
マンガを読むのは久しぶり。やっぱり面白い。
まず、孤児院を脱走するまでの「ママ対子供たち」の頭脳戦が面白い。
「こういう情報を出したら相手からはどう見えるのか」という闘いは、囲碁将棋というより麻雀的な駆け引きだ。
孤児院脱出以降は、ジャンプコミックらしく、バトルに寄っていく。
それでも、DB的パワーインフレ系ではなく、H×H的な頭脳戦+パワー的な感じなのが好み。
さらに、主人公の設定が少年マガ的には珍しい。
「主人公は武力行使を是としない」主人公は、戦闘狂だらけのバトルマンガでは異色だ。
「決して誰かを切り捨てない」という主人公はいても、エマの徹底ぶりは他になかなかいない。
「敵であっても是々非々で考える」余裕がある主人公もそういないだろう。
そういう主人公の設定と、最終的な解決方法が上手く組み合わされていて「ああ、そういうことだよね」と納得して読み終えることができた。
面白かった。