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イナイ×イナイ PEEKABOO

イナイ×イナイ PEEKABOO

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あらすじ

Xシリーズの第1作。

美術品鑑定家の椙田泰男は、資産家である佐竹家にある美術品の鑑定を請け負っていた。美術大生の真鍋瞬市が留守番していると、佐竹家の娘だという千鶴が訪れ「昔死んだことになっている兄が、家のどこかに監禁されている。美術品調査にかこつけて居場所を探って欲しい」と依頼してきた。

真鍋が椙田の助手として雇われている小川令子と一緒に、佐竹家に訪れると、そこにはもう一人の探偵 鷹知祐一郎 も調査に訪れていた。彼は千鶴の双子の妹 千春 から別件で依頼を受けているだという。

後日、小川と真鍋は、佐竹家に訪れ美術品鑑定の合間に監禁場所を探し回っていた。小川は佐竹夫人の叫び声を聞き、声の元に向かって地下に牢屋を見つける。

そこには夫人が倒れており、鍵のかかった牢の中では双子の妹千春が血まみれで死んでいた。

兄は実在したのか。佐竹家の人々は何を隠そうとしていたのか。

感想

森博嗣さんの少し前の作品。
最新のWWシリーズはSF的妄想を膨らませた理系色が全開の作品だが、本シリーズくらいまではミステリ色が濃厚だ。「ミステリに重点を置きつつ、探偵役の鋭さとシニカルさを楽しむ」感じだろうか。

森博嗣さんの作品は大部分が連続した一大サーガになっている。
私はバラバラに手を付けているが、時系列別に読んだ方がより深く味わえるのかもしれない。S&Mシリーズ、四季シリーズ、Wシリーズと読んで、Xシリーズに戻るのは変則的だった。


シリーズごとの出版順は
・S&Mシリーズ
・Vシリーズ
・四季シリーズ
・Gシリーズ
・Xシリーズ
・百年シリーズ
・Wシリーズ
・WWシリーズ
となるようだ。

作品内の時系列は若干入違っているようだが、全部読む気なら出版順の方が良さそう。既に60冊くらいあるので結構ヘヴィーだが。。


本作で改めて印象に残ったのは森博嗣さんの「頭の良さ」の捉え方の的確さだ。

基本理系的だが、論理一辺倒ではなく「思考の飛躍にこそ人間的知性の価値がある」という話は初期作品から何度も登場する。

また本作では、話ながら考えをまとめる人を「脳のバッファが少ない。頭が悪いということ」と評している。まさにその通りだと思う。

私自身も複雑なことを考えていると、脳がパンクしそうになる。人に話して整理することはないが、紙に書いたりして外部バッファを作らないと進められない。
外部メモリに頼らずメインメモリですべて処理できるのは間違いなく有利だし、そこからラテラルな思考の飛躍が生まれるのだとも思う。

脳のバッファを広げることを意識してみよう。

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