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ダマシ×ダマシ SWINDLER

ダマシ×ダマシ SWINDLER

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あらすじ

Xシリーズ完結編。
社長の椙田泰夫、助手の小川令子、バイトの真鍋瞬市、永田絵里子たち、SYアート&リサーチの面々がそれぞれ次のステージに踏み出していく。

結婚詐欺の被害者である上村恵子が調査依頼してきた。鳥坂と名乗る男が彼女に結婚を持ち掛け、銀行の「新婚口座開設キャンペーン」に入金させた後、姿をくらませたという。
依頼を受けた小川令子は、警察に被害を届け出ることを勧めたが、上村は警察が本気で操作してくれるとは思えず、「恥」だからと拒み、小川に調査を依頼した。彼女は「取られたお金に未練はないが、彼にもう一度会って話を聞きたい」のだという。

小川たちが調査を進めるうち、他にも鳥坂の結婚詐欺被害がいることが判明した。
ローカルラジオ局で番組を持ち、ジャーナリストとしても活躍している安藤順子が仲介し、被害にあった会社員女性とモデルの2人を紹介される。

また、被害者たちが鳥坂と知り合った「ホストクラブもどき」の店で情報を集め、大学時代の情報からついに鳥坂の正体にたどり着いた。

だが調査の最中、鳥坂は何者かに鉄パイプで殴られ殺されてしまう。

鳥坂の死の直前、上村宛に「一部だけでもお金を返す」というメールが送られて、実際に入金されていた。
上村は鳥坂の死後も調査の継続を願い「鳥坂はどのような理由で、何を思って行動していたのか」を知りたいと願った。

またその頃、SYアート&リサーチの社長の椙田は仕事をやめ日本を離れることを小川に伝え、会社を彼女に譲るといってきた。さらに真鍋と永田も就職して、バイトとして手伝うこともほとんどできなくなる。
小川は不安を抱えながらも、SYアート&リサーチを引き継ぐことを決意した。

感想

シリーズ6作を読み終え、「ミステリィだと思ってたら、恋愛ストーリーだった」

シリーズ最終作で、小川の過去の恋愛と別れが説明される。
小川が過去と向き合い思い出に昇華する時期を待って、椙田は彼女の元を離れ、独り立ちの背中を押す。

真鍋と永田の関係も、最終話で急展開する。
形而上学的で理屈っぽい森博嗣ワールドに投げ込まれた「ラブコメ要素」も、次のステップに一歩踏み出した。

シリーズ1作目の初版が2007年で、最終作が2017年と実時間では10年が経過している。これくらいの期間をかけて作品世界に入り込んでいると、「変わってしまうこと」が寂しくもある。

とはいえ、変わっていくから人生は輝くのかもしれない。
人が死ななくなったWシリーズのディストピアっぽい閉塞感より、人生に動きのある世界の方が、やっぱり魅力的だったりする。

さて、次はGシリーズにいってみようか。
本作登場人物たちの背景を知りたいし、もうちょっとミステリィ寄りの話を読みたい。
それにしても森博嗣サーガは膨大だ。。

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