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人を助けるとはどういうことか ― 本当の「協力関係」をつくる7つの原則

人を助けるとはどういうことか ― 本当の「協力関係」をつくる7つの原則

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要約

効果的な「支援」を解説する本。
著者の上げる「7つの原則」に沿ってまとめる。

7つの原則

  • 与える側も受け入れる用意ができていること

要求された支援を与えること、提供された支援を受け入れることは、文化的ルールとして避けられない。
申し出る側・受け入れる側のどちらでも、その意図を認識し、望まないなら事前にその事態を避けるように努めるべきだ。

だからこそ、支援が受け入れられないことで憤ってはいけない。
受入れ側は支援が必要で受入れ可能な状態なのか、確認してから行動を起こす必要がある。

  • 支援関係が公平なものだとみなされていること

支援を受ける人は「一段低い位置」にいると感じてしまう。
クライアントの本当の望みを聞き、クライアントが状況をコントロールできるという気持ちを持たせることが大切。
「助けたい」という思いから過剰な支援をして、クライアントのコントロール感を奪わないこと。

クライアント側からは「何が役に立つのか」をフィードバックしていくことでより有益な支援を得ることができる。

  • 支援者が適切な支援の役割を果たしていること

支援のスタイルとして以下の3つがある
 ⅰ)「プロセス・コンサルタント」として関係を築く
 ⅱ)「医師」として診断し治療をする
 ⅲ)「専門家」として知識やサービスを提供する

まずはプロセス・コンサルタントの役割からスタートし、必要な情報が得られるまでは専門知識を前面に出さない。

支援段階に応じスタイルを変えることも不可欠。
状況は常に変化する。「専門家」の段階に入っていたとしても、必要に応じてプロセス・コンサルタントの役割に戻ることもあり得る。

クライアントの側からも、支援のスタイルが現段階の状況にあっていない場合はフィードバックすべき。

  • 言動すべてが人間関係への介入

支援するにせよ、傍観するにせよ、全ての行動が人間関係、社会関係に影響を与えている。クライアント側の言動も相手にメッセージを伝える。

フィードバックは「事実の記述」に止め、「判断」は入れないようにすべき。

  • 効果的な支援は純粋な問いかけから

求められることが明らかだと思っても、まずは控えめで問いかけから始め、どのような方法で反応するかを考える。

純粋な問いかけとして、過去の経験からの偏見を持たずに新しい話として聞くべき。

  • 問題の当事者はクライアント

関係を築くまでは、クライアントの話す内容に深入りし過ぎず、客観的なプロセス・コンサルタントとして、何をすべきかを考えることから始める。

知っている問題に似ていても、他人の問題だと意識する。
解決できるのはクライアント自身。支援者はクライアントが解決方法を見つけるのを助けるだけ。

クライアントが依存してきた場合でも、例えば2つの選択肢を提示するなどして、クライアント自身のコントロールを奪わないよう気を付ける。

  • すべての答えを得ることはできない 

全てのケースで正しい解を出せるわけではない。行き詰まった場合はクライアントと問題を分かち合う。

感想

会社の企画部門に在籍していたとき、外部コンサルとの窓口担当となったことがあり、コンサルの難しさを感じた。

特に厳しいと感じたのは、
会社の上層部が「外部のコンサルごときに、わが社の特殊事情が分かるわけない!」という上層部の反応だ。

本書にある通り、相談する立場として「一段低い位置に置かれる」ことが耐えられない人が多いのだと痛感した。

まずは、客観的な「プロセス・コンサルタント」として、相手の文化を尊重しながら状況を把握し、信頼関係を築いていくことが重要だ。
支援策を提示する段階になっても「相手のコントロールを奪わない」配慮は不可欠だろう。

著者は、支援者がクライアントと一体になり「同じ視線で課題に取り組んでいく」ことを推奨しない。
・客観的な視点を失わず
・課題解決できるのはクライアントだけということを忘れず
・相手を尊重しコントロールを奪わない
ことが大切なのだとする。

ビジネスでも個人間でも「相互依存」が成り立つのは「自立」したもの同士。
相手の「自立」に踏み込むのは避けるべきだと思う。

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