涼宮ハルヒの動揺
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あらすじ
涼宮ハルヒシリーズの第6弾。
秋の文化祭から年末年始までの出来事を追う短編集。
- ライブアライブ
『涼宮ハルヒの溜息』で描かれた文化祭でのエピソード。
キョンが講堂でのライブをみていると、涼宮ハルヒと長門有希がバンドメンバーとして出場していた。
文化祭当日に体調を崩したメンバーに代わり、1時間の練習で急遽参加した二人だが、完璧な演奏と歌で聴衆を魅了した。
- 朝日奈ミクルの冒険 Episode 00
こちらも文化祭の話。
SOS団が自主製作映画として作製した『朝日奈ミクルの冒険 Episode 00』の内容を追う。
正義の未来人 朝日奈ミクルが、悪の宇宙人である長門ユキと、蝶野力者である古泉カズキを巡って争う。いかにも高校生が文化祭でやりそうなノリ。
- ヒトメボレ LOVER
キョンの中学時代の同級生 中河が急に連絡してきた。
中河は偶然見かけた長門に一目ぼれしたのだという。
キョンの伝言を聞いた長門は「興味がある、会ってみてもいい」といい、中河が出場するアメフトの試合の見学に向かった。
だが中河はその試合で負傷し、病院に運ばれる。
長門たちは病院に向かうが、そこで長門に出会うと中河は急に醒めてしまった。
- 猫はどこに行った?
前作『涼宮ハルヒの暴走』にあった短編『雪山症候群』の続編。
雪山の洋館から脱出したSOS団が、古泉の企画した「推理ゲーム」に挑戦する。
離れの部屋に籠っていた主人が殺される。
死体が発見されたのは4時半。
雪で足跡が消えているので、犯行は遅くても4時以前。
犯人と一緒に部屋に入った猫は、3時までは所在が確認されているので、犯行は早くても3時以降。
だが犯行が可能だった3時から4時の間は全員にアリバイがあった。
- 朝日奈みくるの憂鬱
冬休み明け、キョンは朝日奈にデートに誘われる。
デパートで買い物をして一緒にお茶を飲み、思い出の場所を散歩する二人だったが、なぜか朝日奈はずっと時間を気にしていた。
二人が十字路に差し掛かった時、信号無視した暴走車両が交差点に突っ込んできた。轢かれそうになった小学生の少年を、キョンはすんでのところで救った。
感想
高校時代の文化祭だとか、部活の合宿だとか、ノスタルジアを刺激する。
SF的な設定や、キャラ萌え要素を差っ引いた「青春小説」として読んでも、心が動かされる話だ。
古泉の言葉が胸に刺さる。
「さあ、それは終わってみないと解りません。そうですね、すべてが終わったときに、そんなに悪くなかったと思うことができたら幸せですね」
非リアだった高校時代をはるかに超えて、今日も人生は続いているけれど、いつか「そんなに悪くなかった」と思えるなら、幸せなのだろう。