BookLetでは、ビジネス書や小説の1000文字程度のオリジナルレビューを掲載しています。

マーケティングリサーチとデータ分析の基本

マーケティングリサーチとデータ分析の基本

こちらで購入可能

要約

様々なデータが取れるようになった今日「データの海に溺れてしまって、かえって意思決定が難しくなっている」ビジネス現場に対し、データ活用の方法を提唱する。

  • なぜ今、ビジネスにおけるデータ活用が必要なのか

大量生産・大量消費から、多様性を大切にし「オンリーワン」を求める動きが顕著になり、マーケットを細かくみる必要が生まれている。

同時に、通信機器の進歩や、SNSなどネットワークの発達が相まって、人々のあらゆる行動情報がデータ化され、ビジネスに利用できる状態になっている。

とはいえ、ただ大量のデータ活用することが「データ・ドリブン」であるとはいえない。
まずは「身近にあるデータをシンプルに活用することから始めよう」というのが本書の提言だ。

  • リサーチ・データ分析の進め方

データ分析を活用しビジネスを成功させるには「情報収集力」「情報分析力」「情報解釈力」「情報活用力」の4つが大切。

ステップごとの重要ポイントを解説している。

①順番の決定
インパクトの大きいものから着手することが大事。

②目的の設定
目標決定が最重要。どんなアクションや意思決定をするために、何を収集・分析するかを具体化する。

③調査企画の設計
目的が定まったら、それに合わせてリサーチの範囲を設定する。
3C、SWOT、STP、4Pなどのフレームワークを活用し「最終的な意思決定のために必要な情報は何か?」を理解して、リサーチ対象を絞り込んでいく。

④データ収集
目的・範囲に応じ適切な調査方法を選ぶ。
レベル別にみると、
・デスクリサーチ:WEBなど公開情報で調べる
・ログデータ分析:POSデータなどで調べる
・グループインタビュー:数人のグループでインタビュー
・デプスインタビュー:一対一のヒアリング調査
・監察調査:対象者の行動を観察する

メディア別にみると、
・インターネットリサーチ:ネットを使ったアンケート
・紙調査:アンケート用紙を配布し回答してもらう
・訪問調査:対象者の自宅を訪問して調査
・会場調査:会場で試供品を提供するなどして反応をみる
・電話調査:電話を使った調査
などが挙げられる。

⑤分析・解釈
効率的なリサーチにも・的確な分析のためにも「仮説構築」が重要。
良質な仮説を生み出すためには、インプットの量と質、深い思考が必要。

データ解釈の重要な視点は以下の5つ。
・分析目的:仮説を持って分析目的を明確にする
・比較:対象との比較で意味を見出す
・構造、構成:販売チャネルなどの構造から着想を得る
・関係性:相関関係、因果関係のある要因を見つける
・分布:平均、偏差などを意識し数値を正しく読む


⑥アウトプット作成
アウトプットはアクションにつなげることが目的。シンプルでわかりやすくすることが重要。
「誰に」「何を」「どのように」つたえるかを決め、作業自体は効率化する。


⑦アクション
意思決定者をリサーチのプロセスに巻き込むことが大切。

  • マーケティングリサーチの最前線

リサーチのプロセスがデジタル化したことで、マーケティングサイクルのPDCAが超高速化している。
IoT機器などを活用したログデータによる行動履歴収集と、アンケートによる「なぜそうしたのか」という気持ちの調査を組み合わせることで、より深く有益な理解が得られる。

感想

超要約すると
・リサーチは大切
・目的を持って考えてから調べ始めよう
・インターネットリサーチは手軽で有効
という話。

まあ、当たり前ではあるけれど、
どういうアクションに繋げるかを考えず、言われたままに調べるのは非効率ですね。

こちらで購入可能

コメント