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Dr.苫米地式資産運用法なら誰も絶対にrichになれる

Dr.苫米地式資産運用法なら誰も絶対にrichになれる

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苫米地英人さんってどんな人なんだろう?


認知心理学とかコンピュータサイエンスだとか、宗教やスピリチュアル系まで、話の引き出しが多い。

そして全てにおいて常識とは違う視点を提示してくれるので、読んでいて面白い。本当に頭の良い方なのだと思う。

ただ、頭が良すぎるのか「抽象度の高い」説明がとにかく多い。具体の世界に住む自分が実践的な内容を求めて読むと、いくぶん肩透かしを食らった気分になってしまう。

例えば本書は「誰でもRichになれる」と謳っている。
でもそこに書かれているのは、実践的な「投資法」でも、具体的な「仕事術」でもなく、極めて抽象度の高い「お金の上手な使い方」だ。

「抽象度を高めて考えればわかりますよね?」と言われても、それが難しいのだ。。
まあ、誰でもRichになる「具体的方法」が 、簡単に世に出回るわけもないのだけれど。

それでも、それぞれのエピソードは抜群に面白い。
三菱地所に勤めながら「早い者勝ちの衛星軌道を狙おう」という考え方が出てくるのは、凄いとしかいえない。

巻末にあったピケティの『21世紀の資本』の解説も興味深く読んだ。
ピケティの主張を要約すると「r>g(働くより資産運用の方が儲かる状況)を放っておいたら貧富の差が拡大し続けて経済が破綻するから、所得だけじゃなくて資産にも課税しよう、抜け駆けは許さねぇ」ということだと理解している。

これに対して著者は「資産として計上される生産手段にも課税したら、それこそ経済が縮小しちゃうじゃん」と異議を唱えている。単純だけど鋭い指摘で「具体と抽象を行き来できる頭の良さ」が滲み出ている。

私のような「具体の世界の人間」は、Rich を目指すより、著者の語るエピソードから「抽象化力」の薫陶を受ける段階にあるということですね。

要約

「Rich」とは「お金持ち」のことではない。
「お金を上手に使える豊かさ」が Rich なのだ。

本書は Rich になるためのお金の使い方を解説する。

【お金を稼ぐ方法】
お金を稼ぐ方法として著者は以下の3つを挙げる。
①仕事を頑張る
②お金でお金を生む
③付加価値を出してお金を持っている人から集める
そして中でも③の方法を取るべきだという。


お金を稼ごうとするとまず思い付くのは ①の「仕事を頑張る」だろう。だが著者はこれが「悪手」なのだという。

給与をもらう仕事は「生命時間」を売り物にするということだ。
本人にとってはかけがいのない「生命時間」も、雇い主にとっては代替可能なもの。給与所得者としては、一定以上のお金を稼ぐことはできない仕組みになっている。

「仕事は社会に価値貢献するためのもの」と割り切り、お金を稼ぐこととは切り分けて考えるべきなのだ。

②の「お金でお金を生む」というのは、例えば株式投資などだが、著者はこれも推奨しない。

結局は「胴元だけが儲かる仕組みのギャンブル」に過ぎず、長期的に安定して儲けるられるのは、一部の特権的な層だけだという。


そこで著者は、③の方法「付加価値を出して持ってる人からお金をもらう」ことを勧める。

お金を持っている人は「お金を上手に使ってくれる人」にお金を回す。
例として、フェラーリがレース用の車を作ったことや、Googleがサーバ費用を集めたことを挙げる。

これらは、直接的にフェラーリたちの生命時間を売ったわけではない。
「高性能なエンジン」「レース優勝のネームバリュー」や「検索エンジンがもたらす収益モデル」の可能性を売ったのだ。

「上手にお金を使います!」という可能性を示すことで、必要なときに必要なだけお金を集めることができればいい。著者はそう結論づける。

【お金を上手に使う方法】
では、どうすれば「付加価値を出し、お金を上手に使える」ようになるのか。

まずは「クリエイティブを大袈裟に考えない」こと。
0から1を作り出すのは難しいが、既存のものを組み合わせたり組み替えたりするアレンジで付加価値は作り出せる。創意工夫で十分だという認識が大切。

「0から1を生み出す天才的な発想」は必須とではないけれど、世界に埋もれているニーズ(問題・課題)を見つける能力は必要。

ニーズを見つけ出すためには「抽象度をあげる」ことを求められる。

例えばSONYのウォークマンは、製品の機能や性能ではなく「外で音楽を聴きたいけれど、適切な方法がない」というニーズ(課題)に気づいたから商品化できた。

著者が三菱地所に勤めていたとき、扱い品目である「土地」の抽象度をあげ、宇宙空間の衛星軌道への先行投資を提案したりしている。(これは実現しなかったらしいが)

「付加価値」とは「抽象度をあげて課題を発見し解決できる」ことであり、「お金を上手に使う」というのは「付加価値と抽象度の高さによって作られた計画を実行できる」ということ。この「計画」がお金持ちにアピールできる商品なのだ。

【Rich とは何か】
「お金」というのは単なる情報に過ぎない。
お金そのものに執着するのではなく「お金をうまく使って、必要な時に必要なだけ集める」ことが Richなのだという。

お金自体は情報にすぎず、恣意的に生み出して価値を変えることができる。現金を保持していても価値は低減してしまう。

現代の通貨は金などの実態を伴ったものでもなく、紙幣すら不必要な数字だけのやりとりになっている。
例えば、銀行は預かった現金の数倍を貸し出すことができる。仮想通貨も錬金術的だといえるだろう。

「胴元」に生殺与奪の権利を握られたお金そのものではなく「お金を上手に使う力」が大切。

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